認知症の進行の仕方・年数【初期・中期・後期・末期の4段階】

認知症進行の年数

認知症は初期、中期、後期、末期の4段階で進行していきます

認知症を発症してから、どれくらいの期間をかけて、どのような経過をたどって進行するのでしょうか。認知症の進行の仕方を前もって知っておくことは、適切な治療や介護計画を立てるうえでとてもに大切なことです

認知症の進行の仕方

アルツハイマー型認知症の進行ステージ

認知症の進行の仕方は、原因によって少しずつ違います。本人を取り巻く環境や人とのかかわり方などさまざまな要素がからみあうので、個人差も生じます。しかし大きな流れとしては、同様のものと考えてよいでしょう

ここでは、大きな流れをとらえていただくために、アルツハイマー型認知症の進行ステージを取りあげました。認知症の進行の流れを初期、中期、後期、末期それぞれの症状に沿って解説していきます

認知症の進行①初期1〜2年

初期の症状

記憶障害、感情障害、人格変化が現れはじめるのが初期の1~2年です

初期の症状

・新しく経験したことや情報を記憶するのが困難になる

・趣味や日課、社会的出来事に対する興味や関心が低下する

・それまで支障なくできていたことがうまくできなくなる

・感情的に不安定になりやすく、ささいなことで怒ったりする

などが主な症状です。初期の認知症では、慣れているはずの仕事や食事の支度に失敗したり、金銭管理がうまくできなくなったりしますが、トイレや入浴など基本的な生活の動作は問題なくできます(実行機能障害)

認知症の進行②中期3〜5年

中期の症状

見当識障害、判断力の低下、失認、失行失語、計算力障害が顕著になってくるのが中期です3~5年進行したらこの段階になるのが普通です

中期の症状

・数時間前や数分前のことを覚えていられない

・道に迷って、目的地に行けなかったり、自宅に帰れなくなる

・なにをやるのもおっくうがる

・言葉づかいが乱暴になったり、身近な人に暴言を吐く

・何度も同じ物を買いこむ

・言いたい言葉がなかなか出てこない、言葉につまる

などが中期の症状です。簡単な生活動作(洋服を着る、入浴するなど)に支障が出来ることがあります。この段階では、洋服を用意してあげる、入浴時にちゃんと洗えたか、声をかけてあげる出てきたあとできちんと拭けたかどうか確認してあげるなど、簡単なサポートが必要になってきます

認知症の進行③後期5〜8年

後期の症状

記憶障害が激しくなり、徘徊・妄想など周辺症状がひどくなるのが、後期まで進行した認知症です

後期の症状

・自分の名前やよく知っているはずの物がなんなのかわからなくなる

・料理の手順がわからなくなるなど、日常生活での失敗が目立つ

・身近にいる家族がだれだかわからない

・昼間はウトウト眠り、夜になると起きて騒ぐ

・徘徊、被害妄想、嫉妬妄想、物盗られ妄想などがひどくなる

などが後期まで進行した認知症です

後期になると、洋服を着る、入浴する、トイレできちんと用をたすといった基本的な生活動作ができなくなってきます。たとえば、入浴時にはー緒に入って体を洗ってあげる必要があったり、トイレでは用を済ませたら拭いてあげる、水を流してあげるなどの全面的な介助が必要になったりすることもあります

認知症の進行④末期5〜8年

末期の症状

日常生活全般に関して介助が必要になるのが認知症の末期です

認知症の進行の仕方はそれぞれ違い、早い方で5~8年という期間で末期の段階へ進行することがあります

末期の症状

・運動機能が低下し、歩いたり、食べたりするのが困難になる

・寝たきりに近い状態になる

・発語はほとんどない

・周囲に関心を示さない

・昔の記憶も障害される

・失禁が多くなる

末期になると、言葉の理解も困難となって、コミュニケーションも取れなくなってきます。歩行や席に座ることもできなくなってしまいます

認知症進行の年数

認知症進行の年数

上記4段階の期間は、進行すると短くなっていきますが、初期の段階では、約1~2年間で、中期からではさらに短くなっていきます

ただ、寝たきりになってしまってから死亡するまでの期間は、栄養管理や合併症管理で大きく異なってきます

また、人それぞれの様々な条件で進行のスピードは変わってくることが知られています

高学歴の人は認知症の進行が早い

認知症の進行は教育の程度で症状の進み方が変わってくるという研究があります。Cognitive Reserveと言われており、高学歴の人は、アルツハイマー病の病因があってもなかなか発症しない代わりに、いったん発症すると症状の進行は早いと言われています

若年か高齢でも進行のスピードは変わる

また、若年発症のアルツハイマー病と70代、80代発症のアルツハイマー病患者では、進行のスピードも症状も少し違うと言われています

若年発症の患者さんは、失語などの局所症状が早い段階からみられることがあるのに対して、70〜80歳で発症した患者さんは、アルツハイマー病としては典型的なのですが、直近の記憶障害で発症するという研究があります

ただ、もちろん薬の投与によって改善したり、体調の不良で悪化したりするわけで、進行のスピードは変わってきますが、症状の出現する順番などが大きく変わることはないといわれています

初期から適切な治療やケアを

初期から適切な治療やケ

以上、認知症の進行の仕方を解説しました

認知症予備軍といえる軽度認知障害は、とくに少し前のことを忘れてしまう物忘れ(記憶障害)がひどくなり、そのことを本人がまだ自覚している段階です

この段階から、適切な治療やケアを始めれば、認知症への進行を遅らせることは可能です。物忘れがひどくなってきたことに本人や家族が気づいたら、できるだけはやく正しいケア方法を知り、行動をはじめましょう

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