ここではメマリー(メマンチン)の効果や副作用、用法容量、メマリー服用後の事例や評判を紹介します。
もくじ
メマリー(メマンチン)の効果
メマリー(メマンチン)は中等度から高度アルツハイマー型認知症が適応になります。
メマリーが最も効果を発揮するのは易怒性や興奮、威嚇、易刺激性などのやや活発な症状を示すアルツハイマー型認知症です。このタイプでは、過鎮静を生じることは少なく、程よく感情の安定効果を期待できることが少なくありません。穏やかになった、温和になったと感じることが多いです。
おとなしいタイプのアルツハイマー型認知症に使用する場合、大部分では不都合な状態を生じることはないですが、一部の患者で過鎮静を生じる危険性があります。
メマリー(メマンチン)の効果まとめ
- 易怒性、興奮、易刺激性の鎮静
- 認知症陽性症状の軽減、鎮静化が期待される
メマリー(メマンチン)の用法用量
メマリーは5mg錠、10mg錠、20mg錠の3種があります
通常、成人にはメマリーとして1日1回5mgから開始し、1週間に5mgずつ増量し、維持量として1日1回20mgを経口服用します
使用の注意点
メマリーの中核症状に対する進行抑制効果はあまり強力ではないようです。メマリー単独では認知症の進行抑制効果をあまり期待できないという声もあります。
メマリーを使用する最もよい適応は、暴言や威嚇、不穏などの周辺症状が目立つタイプのアルツハイマー型認知症です。感情の安定化を期待できるかもしれません。
薬効の多様性
メマリー使用に際して最大の注意点はその薬効の多様性です。
大部分の患者は、メマリー単独あるいはコリンエステラーゼ阻害薬との併用によって症状の劇的な変化をきたすことは少ないといいます。大部分の患者では著明な変化がみられないことが多いようです。
メマリーの服薬後、ー部の患者さんで攻撃性や幻覚、不穏、激越、けいれんなどの活発な症状あるいは精神症状の発現をみることがあります。このような症状が出現した場合、服薬継続は困難になります。
アリセプトとの併用
メマリーはアリセプトなどのコリンエステラーゼ阻害薬との併用が最も標準的な使用法です。
アリセプトとの併用のデータはしばしばみられますが、レミニールやイクセロン・リバスタッチとの併用の報告はほとんどありません。
アリセプトの副作用
副作用①過鎮静効果
メマリー使用での副作用として、逆に口数の減少、自発性の低下や意欲の減退、無為、ひきこもりなどの過鎮静になることがあります。過鎮静効果はメマリーにみられる作用のなかで最も重要なものです。
これらの副作用はメマリ—使用に際して最も注意すべきです。これらの副作用をアルツハイマー型認知症の部分症状とみなしてメマリー服薬を継続することで生活の質をより低下させてしまうこともありえます。
副作用②傾眠
傾眠は市販直後調査でとくに注意が喚起されているメマリーの副作用です。5mg開始の段階からみられる可能性が高いです。我慢してメマリー服薬を継続することが困難なことが多いようです。夕食後あるいは就寝前の服薬に変更しても翌朝起床が困難な場合が少なくありません。
副作用③浮動性めまい
浮動性めまいも傾眠とともにしばしばみられるものです。5mgの段階から出だし、めまいのために20mgまで増量できないこともしばしばあります。副作用のなかで浮動性めまいは傾眠とともに最もみられやすい副作用です。
副作用④攻撃性
攻撃性・幻覚・けいれんは過鎮静と相反する副作用です。メマリーでは、感情の安定化を示す患者と逆に攻撃性や激越などの亢進を示す患者がみられます。同ー薬剤であるが相反する作用がみられることから使用に際して注意が必要です。
服用で効果がみられた事例・評判
メマリー服用が周辺症状に効果が見られた事例を紹介します。
80歲女性の事例
アルツハイマー型認知症のこの女性は、メマリー5mgから開始しましたが、10mgに増加したらぼーっとしていることが多くなりました。
5mgの段階でおとなしくなった、開始前は大声を出していたが今はほとんど喋りません。夜間は睡眠薬がなくてもよく寝ています。
家族によると、メマリーの服薬でおとなしくなったが悪く言うと元気がなくなったとのことです。メマリーの服薬で睡眠障害を含めて周边症状の改善がみられたことから他剤をすべて中止してメマリー5mgで経過をみています。投与開始1力月後には認知症の周辺症状は軽減しました
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