納豆は認知症予防に最適な食品

納豆は認知症予防に最適

認知症を予防する食事のスタイルで言えば、和食がベストといえます

さらに、和食の食事に、毎日1パックの納豆を食ベるようにすれば、それだけで認知症予防にほぼ理想的な食事となります

納豆は認知症予防に最適

納豆は認知症予防のための完全食

納豆は、当然ながら大豆からできていますから、植物性の良質なタンパク質が豊富です。大豆などの植物性タンパク源は、動物性のタンパク源となる肉や卵などに比べてコレステロールや脂質の含有量が少なく、糖尿病や脂質異常症を誘発する可能性が低いタンパク源と言えます

また、大豆に含まれているレシチンという成分は、脳内で記憶力や学習能力を高めるアセチルコリンという神経伝達物質の材料になり、脳細胞の破壊を防いで認知症を予防する効果が期待されています。同じく動脈硬化の予防効果もあるため、生活習慣病全般の予防にもつながります

さらには納豆は大豆を納豆菌で発酵させたものですが、この発酵のときにナットウキナーゼという酵素がたくさんつくられます。このナットウキナーゼは、血管に沈着している悪玉のコレステロールや中性脂肪を溶かし、血栓を防いで血圧を下げる高い効果があると考えられています

つまり、これも動脈硬化を改善して血管の状態をよくすることにつながるので、認知症や各種の生活習慣病の予防に直結するのです

このように、納豆は認知症予防のための「完全食」と言っても過言ではない食品です。ですから、治療上食べられない人は別にして、本当はすべての人に1日1パック以上は食べてほしいくらいです

認知症や生活習慣を予防する油をかけるのがおすすめ

認知症や生活習慣を予防する油をかける

納豆には通常、専用のタレが付いていますが、できればそれをそのままかけて食べることは控えましょう

専用のタレの代わりに、たとえばフィッシュオイルやエゴマ油などの油、あるいはオリーブオイルなどの油を納豆に少量かけて食べるようにすると、さらに栄養バランスがよくなります

これらの油が、前項で認知症や各種の生活習慣病を予防する効果があるとした脂質です上に挙げたほかにも、アマニ油やシソ油、キャノーラ油などが認知症予防に効果があります。あるいは、抗酸化作用が強いとされる米ぬか油などをかけてもいいでしょう

逆に、牛や豚、鶏などの陸生動物の肉に含まれる油(飽和脂肪酸)や、植物性でもコーン油や大豆油、パーム油(飽和脂肪酸)などは、各種の生活習慣病や認知症、ひいては脳卒中や心筋梗塞なども引き寄せやすいとされています

動物の脂肪に含まれる飽和脂肪酸や、揚げ物油などに使われることが多い油は、普通に食事をしていると、どうしても摂取量が多くなりがちです。そこで納豆にかけるタレの代わりに、もつと多く摂取すべき油を使うことで、脂質の摂取バランスをも改善することができるのです

さらには、そうして納豆にかける油をいろいろと変えていくと、風味が変わるので納豆を飽きずに長く食べ続けることもできます。やはりおいしくないと続きませんし、同じ食品ばかりが続くと飽きやすくなりますので、脳に刺激を与える意味でもこうしたエ夫が効果的です

納豆を食べるなら夕食時がお勧め

なお、納豆は表面積が増えるひき割りタイプがお勧めです。表面積が増えるので、1パックに含まれる納豆菌の数が増え、ナットウキナーゼなどの有効成分も増えやすいからです

また、「3食すべてで納豆を食べるのはさすがに無理……」という方は、朝食ではなく夕飯の際に食べるよう意識するとよいでしょう

納豆に含まれるナットウキナーゼが血液や血管に作用して血流を改善したり、血栓の予防効果を発揮したりするには、食後5時間前後の時間がかかるとみられています

脳の血管が詰まって脳梗塞が起きやすいのは、夜中の1時から朝の5時くらいの、いわば「魔の時間帯」であることがよく知られていますので、その時間帯に合わせて納豆に血栓の予防効果を発揮してもらうには、夕食時に食べるのがいちばん効果的というわけです

脳梗塞以外の血管が詰まる病気でも同じ原理が働くと予想されますから、各種の血管病や認知症を防ぐためにも、夕食時には1パックの納豆を心がけてください

ワーファリンなどの抗凝固薬を使用している人は注意!

ただし、「抗血栓療法」といって、血液をサラサラにする効果のあるワーファリンという抗血栓薬を飲んでいる人では、納豆を食べすぎると薬の効果が阻害されてしまうため、納豆を食べすぎないように注意が必要です

まれに食べる程度であれば問題はありませんが、ここで推奨しているように毎日1パックも食べるのは禁物です

納豆に含まれる納豆菌には、ビ夕ミンKという栄養素をたくさんつくり出す作用もあります。ビタミンKには血液凝固作用があるのですが、健康な人が食品として摂取する場合には、ナットウキナーゼなどの血栓予防効果のほうが優っている状態です

しかし、抗血检療法で使われるワーファリンは、このビタミンKの働きを抑えることで血液をサラサラにしようとする薬であるため、納豆を食べすぎるとせっかく抑制しているビタミンKが体内でたくさんつくられてしまい、薬の効果が相殺されてしまうのです

この薬を飲んでいる人は、薬の効果が抑制されると危険な状態になることが多いため、納豆を食べすぎないようにくれぐれも注意してください(最近では、納豆を自由に食べられるタイプの抗血栓薬(リクシアナ等)も登場しています)

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